「花沢道場」道場主 高次脳機能講座 認知知覚過程 助教授 理学博士 花沢明俊
 
〈研究事例〉“錯視”のなかに、視覚の仕組みが見えてくる。
視覚についての研究は、脳生理学、心理学、数理モデルなどの分野が関連しあって解明が進んでいますが、当研究室では心理学的なアプローチに重点を置いています。たとえば、心理学の視覚実験でよく取り上げられる「錯視」は、同じものを見ているのに、場合によって神経回路の活動が異なる状態に収束するため、脳の解釈が分かれる現象です。こうした「錯視」の現象も、人間の視覚のメカニズムを推測し、理解する上で大きな手がかりとなります。視覚認識の研究で得られた知識と技術は、脳の損傷による視覚障害の緩和など医療の分野で活用されているほか、ロボットが未だ不得意としている認識や判断に関わる情報処理システムへの応用が期待されています。

〈出稽古パッケージ〉視覚科学基礎技術 異分野の研究成果を、自分の力とするために。
視覚認識に関わる脳科学の分野から、自分で知識を吸収できる力を身につけてもらいます。具体的には3ヶ月という短期間で体系的な知識を一通り学んでもらい、この分野の論文をピックアップして、そこに何が書いてあるかが理解できるレベルに達することを目標としています。ロボットの視覚認識や画像処理の研究に取り組んでいる学生にとっても、視覚のメカニズムの研究成果はきっと参考になることでしょう。また実習として、錯視を引き起こすグラフィックをつくるプログラミング技術を習得したり、専門的な視覚実験のスキルも学んでほしいと考えています。ひょっとしたら出稽古の期間中に、視覚についての新しい発見ができるかも知れません。

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