「立野道場」道場主 神経情報処理講座 数理神経回路助教授 工学博士 立野勝巳
 
〈研究事例〉数理神経細胞モデルで、記憶の謎に挑む。
当研究室では、さまざまな神経細胞の活動を模した数理モデルをつくって、神経情報処理のしくみを解明しようとしています。現在は、脳の中の記憶に関与している海馬のモデル、心筋細胞の不整脈に関するモデル、自閉症の子供の睡眠モデル、味覚神経細胞のモデルなどを手がけています。いずれの場合も、生体の煩雑な実験データを解析するには、数理モデルを使ったアプローチが欠かせません。たとえば海馬の研究では、できるだけ本物に近い数理モデルを実現することによって、そもそも生物の記憶とは何か?脳の情報処理はどうなっているのか?といった理解につながり、その成果は脳の働きに近い新しいタイプの記憶装置の開発などに応用できます。

〈出稽古パッケージ〉数理神経細胞モデル実践 数理モデルは、生命体工学の“共通言語”だ!
工学系専門の研究者が、神経細胞のしくみを取り入れたデバイスを作ろうとしても、生物実験の生データは煩雑でどう読み解けばよいかわかりません。しかし数理モデルがあれば、データを解析して、わかりやすい形で工学の分野へとつなぐことができます。とくに本専攻のような複合的な研究分野においては、生物と工学の橋渡し的な役割を果たす数理モデルはとても重要な道具となります。そこで当研究室の出稽古では、数式の立て方から専用のシミュレーションソフトの使い方まで、数理モデルをつくる基本的な手順を教えます。実験データはあるがモデルの作り方がわからない学生にも、生物実験をやったことのない工学系の学生にも対応し、実際に各自でモデルをつくってみます。

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