「豊島道場」道場主 数理脳科学講座 数理言語科学 助教授 学術博士 豊島孝之
 
〈研究事例〉脳内での言語処理、その文法をモデル化する。
私は理論言語学が専門で、人間の脳内での言語の生成・処理、その文法体系を数理的な公式のようなものにして解き明かそうとしています。現在は特にその経済性問題、脳内の言語活動をモデル化した煩雑な公式群をいかに簡潔にするかといった課題に取り組んでいます。近年の言語学と工学の複合領域では、音声対話システムや翻訳システムなど言語工学を応用した研究がさかんですが、当研究室では可能な限り学生の希望に応じたテーマを設定し、たとえば人間の脳を模倣した人工神経回路網に、0と1の数列に置き換えた言葉を覚えさせ、人間の子供が自然に文法を身に着けるのと同じようなことが人工物にも可能かどうかを探る研究などを行っています。

〈出稽古パッケージ〉自然言語基礎理論 自然言語の複雑さの前で、道に迷わないために。
工学系の学生には、自然言語がもつ複雑性や問題点をまったく意識せずに、音声言語のインタフェースが実現できるかのような誤解がよく見うけられます。そこで、音声認識、音声合成、機械翻訳、データマイニング、対話システムなど言語工学を応用した研究に必要とされる基礎的な理論を理解してもらうパッケージを用意しました。前半では文献を読むために必要な学術用語、音声学から意味論にわたる基礎知識を学んでもらい、後半ではそれぞれの学生の研究テーマに即して指導します。たとえば自分がめざす研究目標に到達するにはどういう道筋で何を調べ、何を解決しておかないといけないのか、そういったプランを得られるようになってほしいと思います。

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