「大坪道場」神経情報処理講座 動的神経分子ネットワーク 准教授 博士(情報工学) 大坪義孝
 
(研究事例) 細胞は化学物質をどのように情報化するのか?
生物の感覚器には、物理的・化学的刺激を認識する受容細胞が存在しています。私の研究室では受容細胞が化学物質をどのように認識して生体情報に変換しているのか、「化学物質と細胞の相互作用」に着目して、遺伝子の発現から細胞集団の機能解析までの包括的な研究を行っています。たとえば、50個ほどの細胞ネットワークを形成する味蕾(みらい)で絶えず細胞の入れ替わりが生じているにもかかわらず、どうやって安定的な味覚情報の処理がなされているのか、あるいは緊張やリラックスといった精神状態の違いによって味情報が変化するしくみなどを解明しようとしています。こうした研究の成果をもとに新しい信号処理システムの開発をめざしています。

(出稽古パッケージ)細胞培養とパッチクランプ法実習/“細胞を知る”をテーマに、手で考えるワザを習得。
当研究室の出稽古は、“細胞を知る”というのをテーマにしています。近年話題のiPS細胞を調べるのも、舌の細胞を調べるのも、細胞の特徴を知るという点ではまったく共通です。具体的には、マウスの脳の神経細胞の電気信号を測定したり、遺伝子増幅技術で細胞に発現している遺伝子を調べたり、免疫染色法によってタンパク質の分布を調べたりなど、相談によってさまざまな興味やレベルの学生に対応できるプログラムを用意しています。たとえば、DNA鑑定などで知られる遺伝子増幅技術は、食品分析や創薬、バイオ関連企業など幅広い分野で使われている基礎的な技術です。こうした分野に関心のある学生に、手を動かし、手で考えるワザを身につけてほしいと思います。
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