1997年4月10日
ウシガエル味覚器温度応答の細胞内pH依存性
吉井 清哲
九州工業大学

NH3あるいはCO2存在下でウシガエル舌に温(5℃-30℃)刺激および冷刺激(30℃-5℃)を与え、温度応答として舌咽神経の活動電位を測定した。温応答は、NH3およびCO2 によって抑制された。一方、冷応答は、CO2に依存せず、NH3によって増強された。NH3 による増強作用は、NaCl、 KCl、 エタノール、塩化コリン、およびグルコースによって浸透圧依存的に増強された。細胞内pHは、各種イオンチャネルおよび酵素の活性を変化させる。本実験結果は、温応答と冷応答が異なるイオンチャネルや酵素系によって発現されることを示唆している。

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1997年4月17日
論文紹介: Isologous Diversification: A Theory of Cell Differentiation
  by K. Kaneko and T. Yomo
  ( Bulletin of Mathematical Biology, Vol.59(1), pp139-196, (1997))
岡本 正宏
九州工業大学

栄養源が限られたシャーレ内で、大腸菌を培養した場合、細胞分裂を起こし、栄養源を奪い合い、時間が経つと、非常に分裂のactivityが高い細胞と低い細胞とにclusteringされることが報告されている。個々の細胞内は、どれも同じbiochemical network (network)を持っているが、栄養の取り込み量によって、ある化学反応物質の濃度は、細胞1つ1つ異なると考えられる。著者らは、細胞の個性(いつ分化するのか)は、プログラム化されたものではなく、細胞同士の相互作用によって生じるものであるという推論を立てて、1つ1つの細胞の分化の時間的変移を記述する数学モデルを提唱している。そして、その数学モデルを用いて、細胞種の多様性、ガン化のメカニズムについて論じている。

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1997年4月24日
電位依存性Caチャネル各型と相互作用する蛋白質の検出
坂本 順司
九州工業大学

電位依存性Caチャネルの基本的役割は、細胞膜の脱分極を感じ取ってゲートを開き、細胞外のCaイオンを流入させ、細胞内のCaイオン濃度を高めることによって細胞の反応を引き起こすことにある。つまりCaイオンという液性情報を伝えるわけである。ところが一方、蛋白質としてのチャネルと他の蛋白質との物理的相互作用が重要な場合が知られている。すなわち骨格筋の興奮収縮連関において、細胞膜の電位依存性Ca チャネルは細胞外のCaイオンが存在しなくても筋小胞体のCa遊離チャネルに信号を伝え、そのなかのCaイオンを細胞質に放出させることによって筋肉の収縮を引き起こす。ここでCaチャネルは、Caイオンの流入を介さないで電位センサーとして働いていると考えられる。
 そこで、神経系のCaチャネルにもそういった類の相互作用があるかどうかを、生化学的に調べた。チャネル各型の部分構造を大腸菌に大量発現させ、このリコンビナント蛋白質をラットの脳のホモジネートとインキュベートし、これに結合してきた蛋白質をウエスタンブロッティングなどで分析した。その結果、シナプス伝達に働くシンタキシンやVAMP、SNAP-25が検出できたほか、Ca遊離チャネルも結合していた。この結果から、脳においても骨格筋と同様の相互作用があるのではないかと示唆される。

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1997年5月8日
海馬CA3モデルの神経活動に対する海馬CA1モデルの応答
立野 勝巳
九州工業大学

前回、CA3神経回路網モデルの神経活動は錐体細胞の興奮性結合に依存してθ様リズムやてんかん様リズムなど4種類のリズムを生成することを報告した。θ様リズムは周期的な苔状線維刺激の広い刺激周波数帯で引込みを示す。現実にはCA3の神経活動はシャーファ側枝を介して、CA1へ投射される。本海馬モデルも同様に構成した。ここではCA3モデルのθ様リズムがCA1モデルに投射したしたときの応答を調べた。CA3のθ様リズムのフィールド電流はほぼ周期的な振動であるが、錐体細胞の放電はさまざまな方向へ伝播している。そのため、CA1の神経活動は非周期的である。このとき、周期的苔状線維刺激を加えると、CA3の神経活動は引込みを示し、CA1の錐体細胞を周期的に発火させる。したがって、貫通路刺激とCA1錐体細胞の放電も一致しやすく、連合LTPを起こしやすい。

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1997年5月15日
中川 秀樹
九州工業大学

 我々は、これまで、電気及び散光刺激に対する視蓋神経活動の時空間パターン を電流源密度(CSD)解析法を用いて調べてきました。前回までは、主にC SD解析法の紹介を行い、それぞれの刺激に対する応答のCSDパターンの典 型例をもとに定性的解析結果を示してきました。今回は、これらの結果を、よ り客観的に評価するため、複数の標本からのデータを総合して定量的解析を試 みたので、その結果を報告します。またその結果とこれまでに得られている多 くの生理学的、形態学的、行動学的知見に基づき、各シンクの神経機構及び摂 餌行動、逃避行動における機能を考察します。最後に、視蓋単離標本の活性を 確かめるためにCSD解析法を用いた結果について簡単に紹介します。

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1997年5月22日
初期エンドソームとアクチン細胞骨格
中川 裕之
九州工業大学

 伝達物質の放出にともなって前シナプス膜に融合したシナプス小胞膜は、エン ドサイトーシスによって前シナプス終末内に取り込まれ初期エンドソームへと 輸送される。この膜のリサイクル機構は、真核細胞に普遍的に存在するクラス リン依存的エンドサイトーシスを基にしていると考えられている。クラスリン 依存的なエンドサイトーシス系の物質輸送には微小管が関与していることが知 られているが、近年アクチン細胞骨格の関与も示唆されている。しかし、輸送 のどの過程でアクチン細胞骨格が働いているのかはよく分かっていない。そこ でアクチン細胞骨格の関与している過程を明らかにするために、初期エンドソー ムとアクチン細胞骨格の関係を繊維芽細胞株(3Y1)を用いて形態的に観察 した。
 繊維芽細胞の初期エンドソームは、細胞膜近傍の選別エンドソーム(SE) と核近傍のリサイクリングエンドソーム(RE)に分類される。取り込まれた 物質は、SEからREに輸送小胞を介して運ばれていると考えられている。今 回の実験では、トランスフェリンによって両エンドソームをラベルした。イン タクトな細胞では、両エンドソームとアクチン繊維の細胞内分布に関連は見ら れなかった。しかし、サイトカラシンB処理によってアクチン繊維を断片化す ると、アクチン分子は核周辺部にも分布するようになり、REと局在が一致し た。サイトカラシンB処理と微小管を崩壊させるノコダゾール処理を同時に行 うと、断片化したアクチン繊維は核周辺部に集まらず、REも細胞質へ分散し SEの区別が困難になった。これらの結果は、断片化したアクチン繊維がSE からREへの輸送小胞とともに微小管上を運ばれていることを示唆している。 したがって、インタクトな細胞ではアクチン細胞骨格はSEに結合していると 考えられる。

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1997年5月29日
CA3長軸方向のシナプス長期増強と活性状態の局所化
中島 孔志
九州工業大学

 海馬内のシナプス結合は大きな可塑性を有し、シナプス長期増強を起こしやす いために、記憶と関連づけてさまざまな議論がなされている。海馬は大きくC A1、CA3と歯状回の3つの領域に分けられる。CA3はCA1や歯状回に 比べ活性が高く、自発放電を行なっており、θリズムやてんかん様バーストリ ズムの起源になっている。したがってCA3が記憶などの海馬の機能に大きく 関与しているのではないかと考えられる。海馬横断面はきれいな層構造をなし、 長軸方向には一様であると考えられていた。しかし、海馬は長軸方向にもラメ ラ構造があり、一様ではない。海馬内での情報処理や記憶には長軸方向の構造 や投射も大きく関与していると考えられる。
 前回、平面的に同時測定可能なマルチ電極装置について報告した。現在、そ のマルチ電極は16chの測定が同時に行なえる。本研究ではそのマルチ電極を用 い、苔状線維刺激に対する海馬長軸方向のCA3におけるシナプス強度の変化 とその空間分布、さらにシナプス長期増強前後での活性状態の時空間変化につ いて調べた。その結果、シナプス長期増強は1~2mmで局所的に起こり、シナプ ス強度は刺激からの距離にほぼ比例して増加した。また、シナプス長期増強に よって明確なリズムは生じなかったが、活性状態は局所的に変化した。さらに、 FFTによる周波数解析により低周波数帯(0.5-5Hz)の成分が増加していること が示された。

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1997年6月12日
同期現象の科学の最近の進展
田中 久陽 氏
早稲田大学理工学部電気 特別研究員

 同期現象は普遍的、分野横断的存在であるが、これを蛍の集団同期、 位相同期回 路(PLL)、神経科学、非線形物理の実例を通じて紹介する。 今回は特に、その本 質を抽出するモデリング及び、その背後に存在する数理について最近の進展を 概説する。さらにデジタルシステムにおける同期の概念、多様な同期方式の可 能性についても言及する。 PLLによる相互同期の実験のvideoもお見せします。

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1997年6月19日
海馬θ様リズムに対するノルアドレナリンの効果
夏目 季代久
九州工業大学

 海馬θリズムは、中隔由来のコリン作動性神経の活動により発生する事が分かっ ている。また海馬には青斑核よりアドレナリン作動性神経も投射している。青 斑核細胞は、ラットが新しい環境(novel stimulus)に置かれた時に発火する事 が報告されており、その時、海馬内アセチルコリン濃度が上昇する事も明らか になっている。従って、novel stimulusによって海馬内ではθリズムが生成し、 その時、アドレナリンが作用していると考えられる。そこで、今回の報告では、 海馬スライスカルバコール誘導θ様リズム(TLA)に対するアドレナリンの効果 を調べた。
 結果として、1)アドレナリン作動薬であるエピネフリンを投与すると、歯 状回(DG)のTLAの周波数上昇が生じた。それと共に振幅の減少が観察された。 特にアドレナリンα2レセプター作動薬であるクロニジンによっても同様の現 象が観察され、α2阻害薬であるヨヒンビンによって阻害された。2)1)の クロニジンの作用は濃度依存的であった。3)クロニジン投与により、DG顆粒 細胞の活動性が増大した。この増大はヨヒンビンにより阻害された。
 θリズム中、多数の細胞は、ある程度coherentに発火している事が分かって いる。海馬アドレナリンα2レセプター活性化は個々の細胞の活動性を増大さ せ、その結果、細胞発火のcoherencyが減少し、θリズムの振幅減少、周波数 の増大が観察されたのではないかと考えている。

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1997年6月26日
ニューロンの確率共鳴現象
林 初男
九州工業大学

 多くのデバイスや方式論では,雑音を低減し信号対雑音比(SNR)を向上させる 努力がなされてきた。しかし,複数の安定状態が存在する非線形系では雑音の 存在によってむしろSNRが向上することがあり,この現象を“確率共鳴”と呼 んでいる。ニューロンも発火のしきい値を持つ非線形系であるので,末梢の感 覚受容器を対象として,雑音により信号検出の感度が上がることが明らかにさ れている。残されている大きな問題の一つは脳で確率共鳴が起きるかというこ とであり,起きるとしたら脳のどのような機能と関係しているかということで ある。これらの問題を明らかにするための第一歩として,次回の夕方セミナー では,(1)シナプスを介して入力した周期バースト列と不規則バースト列で確 率共鳴を起こせるか,(2)自発放電ニューロンの周期刺激に対する引き込み現 象を確率共鳴を利用して起こせるか,という2つの問題を検討した結果につい て報告す。(1)の問題については海馬のCA1錐体細胞モデルを用いたシミュレー ションで検討し,(2)の問題についてはイソアワモチペースメーカニューロン を用いた実験で検討した。

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1997年7月10日
神経伝達物質放出の計測法(論文紹介)
林田 祐樹
九州工業大学

 これまで、神経伝達物質の放出を検出、計測する幾つかの手法が開発されてい る。 また近年 単離ニューロンを用い、細胞内Ca2+濃度と伝達物質放出の同時 計測から両者の関係が調べられてる。その結果、放出のために必要な最低Ca2+ 濃度、 細胞内Ca2+濃度と放出のダイナミクスとの相関、 二相性放出に関する 知見が得られるようになった。
 今回のセミナーでは、この伝達物質放出の測定方法(膜容量測定法、 蛍光 プローブ法、 パッチ膜または全細胞を用いたバイオプローブ法 等)を中心に、 これまでに報告された網膜ニューロンからの測定結果と併せて発表を行ないま す。

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1997年7月17日
電位依存性イオンチャネルの味蕾内マッピング
古江 秀昌
九州工業大学

 味覚器を構成する味蕾細胞は、各種電位依存性イオン電流(Na、 K、 Ca)を 発生する。味蕾を中心から周縁に向かいD1、D2、D3、D4の4つの同心円に味 蕾を区画し、各区画間の電位依存性イオン電流を比較した。電位依存性Na 電 流、遅延整流性K電流および内向き整流性電流の約80%がD2、D3に局在してい た。これに対して、Ca電流は異なる局在を示した。電位依存性イオンチャネル の発現は、味蕾内で同心円状に変化することがわかった。イオンチャネルの発 現と味細胞の成熟について考察する。

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1997年9月11日
脳内の情報表現について -最近の研究のレビューと海馬におけるテンポラル・コーディング-
龍野 正実
早稲田大学理工学部

 脳内の情報表現を解明することは、現在の神経科学に課せられた大きなテーマ である。最近の研究によると、従来の平均発火率コーディングだけでなく、ス パイクのタイミングの重要性が指摘されている。今回はこのような最近の研究 のレビューを行ない、特に記憶情報処理と関係の深い海馬における情報表現に ついて、実験とモデル計算の結果を報告する。

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1997年9月25日
大脳1次視覚野における方向選択性(DS)ニューロン
古川 徹生
九州工業大学

 前回のセミナーではウサギやカメの網膜で光刺激の運動方向に選択的に応答す る細胞(directional selective neuron; DS ニューロン)についてお話ししま した。大脳が発達しているネコやサルの場合,DS ニューロンは1次視覚野の simple cell、complexで出現します。これらの DS ニューロンはウサギやカメ の網膜 DS ニューロンと異なり,非常に線形性が高いという特徴を持っていま す。これらの DS ニューロンのメカニズムや計算可能性などについて,自分の 研究も踏まえながら現在の状況を紹介していきたいと思います。

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1997年10月16日
論文紹介/解説: Dynamical Cell Assembly Hypothesis: Theoretical Possibility of Spatio-temporal Coding in the Cortex (Neural Networks, vol9, No.8, pp.1303-1350, 1996)
安井 湘三
九州工業大学

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1997年10月30日
林田 祐樹
九州工業大学

 前回の発表では、神経細胞からの伝達物質放出をモニタ(計測)するための計測法と、計測法の違いによる結果の違いについて論文紹介をさせてもらいました。 今回の発表では、 これらの計測法を用い、 網膜双極細胞からの伝達物質放出 を解析した論文を紹介します。
 培養によりシナプスを形成した海馬ニューロンを用いた実験結果から、伝達 物質の放出に 時定数の異なる二相性の放出があり、これにaffinityの異なる 二つのCa2+センサーが関与している可能性が示唆された。 また、単離した網 膜双極細胞を用いた実験からも、二つの研究グループによって、 二相性伝達 物質が観測されている。 但し ここでは、 細胞膜にdockされていた小胞の excocytosisがまず起こり、その後poolされていた小胞がmobilizationにより 新たに膜にdockされてexcocytosisが起こることにより二相性が生じるものと 考えられている。

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1997年11月20日
記憶構築のメカニズムの一考察:記憶の強さと弱さ
岡本 正宏
九州工業大学

 記憶がどのようにしてつくられるかは長年のなぞであったが、多くの神経生物 学者は、脳のシナプスが強められたり、弱められたりすることで記憶が蓄積さ れると考えている。昨年のNatureに(Nature,vol.381,pp.471-472 (1996))、経 験によりシナプス強度がどのように修飾され、どのように記憶がつくられるか の解明にむけて、現在の研究動向をまとめた論文が発表された。セミナーでは、 その内容を紹介する。

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1997年12月18日
海馬CA3-CA1連合記憶モデル
立野 勝巳
九州工業大学

 海馬CA1は長期増強(LTP)を起こしやすい部位です。また、異なる興奮性投射経 路から同位相で入力が与えられると、それらの入力は連合LTPを起こします。 そのため、いくつもの連合記憶モデルが提唱されています。しかし、従来の記 憶モデルは海馬CA3や歯状回のリズミックな活動を考慮しておらず、海馬の記 憶メカニズムをとらえるのは難しいと考えられます。
 現在、海馬CA3のリズミックな活動に依存する海馬CA1の連合記憶モデルを構 築しています。ここでは、連合記憶モデルを考える上での方向性や問題点を発 表します。

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1998年1月22日
カエル視蓋CSDデプスプロファイルの主成分分析
中川 秀樹
九州工業大学

 電流源密度(CSD)解析法によって得られたCSDデプスプロファイルのみ から、それが幾つの神経集団の活動から構成されているのかを知るのは困難で す。正確な解釈のためには、細胞内記録法によるデータとの比較検討が、必要 不可欠です。
 今回は、これとは別に、全く統計的にこの問題にアプローチする試みについ てお話しします。最初にそのための手法、多変量解析法の1つ、主成分分析法 について簡単に説明をし、続いてこれをCSDデプスプロファイルという波形 データに応用する方法について紹介します。最後に、カエル視蓋神経活動のC SDデプスプロファイルに主成分分析を適用した解析結果について報告します。

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1998年1月29日
遺伝性てんかんモデルElマウスにおけるGABA仮説
笛田 由紀子
産業医科大学

 近年、テレビゲームやテレビアニメで小児や幼児にてんかん発作が起こった事 は記憶に新しいところです。てんかんは、「種々の成因によってもたらされる 慢性の脳疾患であって、大脳神経細胞群の過剰放電に由来する反復性の発作を 主徴とする。」と定義されています。神経細胞群の突然の過剰興奮の原因を説 明するために、いろいろなモデルが提唱されてきましたが、「GABA仮説」は 1980年代から提唱され、実際、抗てんかん薬の開発やてんかん発作波の原因機 構究明に有用視されています。産医大のElマウスてんかん研究グループは、10 数年にわたりElマウスを飼育維持しています。Elマウスてんかんの遺伝には、 複数遺伝子(座)の関与が報告されており、そのことが分子生物学的解明の困 難をきたしています。私は、GABAが中枢神経系で主要な抑制性シナプス伝達物 質であるという事実を重要視し、GABA仮説をこのモデルで検証してみることに しました。セミナーでは、まず、Elマウスの飼育をビデオ供覧して、てんかん 発作と特徴をみていただきます。その後、実験結果を話します。海馬スライス を用いた実験が主で、周波数増強の解析・ペアパルスの解析・IPSPキネテイク スの解析・4-AP 自発放電の解析をお話しできる予定です。GABA系のどのよう な機構がElマウスてんかんの原因なのか、いまだ結論には至っていませんが、 木曜セミナーで議論できればと思っています。

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