2011年2月24日(木) (会場 2F 講義室2)
A Non-Invasive Method for Measuring the Turgor Pressure Change in Characean Internodal Cells: the hydraulic conductivity of the plasma membrane is isotropic and independent of the external hydrostatic pressure

○緒方惟昭
北九州市立大学国際環境工学部

Assuming that the magnitude of the peak-to-peak difference in strain (Sn) caused by an external constant sinusoidal stress is proportionate to the turgidity of the viscoelastic material, I applied this dynamic measuring technique to characterize the turgor pressure change (P) in a giant cylindrical Characean intermodal cell in response to the step-change of extracellular hydrostatic pressure (πe). Results suggest that there is no evidence to prove that the plasma membrane itself is a rectifier for water volume flow, but that the apparent rectification is due to the mechanical properties of the cell wall and/or to the change in water motive force across the membrane. Other several aspects conderned with the watertransport of plasma membrane would be discassed.

K. Ogata会場の様子

[HOME]
2010年12月2日(木) (会場 2F 講義室2)
連続力学系と離散写像系における摂動の効果- DBSE と一次元写像の解析と応用

○中田一紀
九州工業大学大学院生命体工学研究科脳情報専攻


[HOME]
2010年11月11日(木) (会場 2F 講義室2)
神経振動子についての最近の研究

○松岡清利
九州工業大学大学院生命体工学研究科脳情報専攻

松岡振動子は、生物のcentral pattern generatorのモデルとして、四半世紀前に提案されたものである。ところが近年、ロボットの運動制御、特に歩行型ロボットにこのモデルを適用する試みがよく見られるようになった。振動子のモデルは数多くあるのに、なぜこのモデルがロボット制御によく用いられるのか、神経振動子によって駆動されるロボットの組織的設計法が構築できるか、提案者自身の最近の研究も含めて話をしてみたい。

K. Matsuoka 会場の様子

[HOME]

2010年6月10日(木) (会場 2F 講義室2)
生物言語学の動向

○豊島孝之
九州工業大学大学院生命体工学研究科脳情報専攻

理論言語学の中でも、最新の生成文法理論では、言語理論のモデル化にあたり、哲学、情報科学、認知心理学、認知神経科学や広義での生物学の観点から経験科学としての言語理論の構築を目指し、自然言語能力を人類の種としての特性としてかいめいすることを目標に、「生物言語学」(Biolinguistics)と呼ばれるようになってきた。そこに取り入れられてきた哲学、情報科学、認知心理 学、認知神経科学、生物学等の視点を紹介し、なお未だ残る大きな隔たりについての私見を基に、参加者の皆様とディスカッションできればと考えております。

T. Toyoshima 会場の様子

[HOME]
 2010年5月13日(木) (会場 2F 講義室2)
歯状回における外側貫通路シナプスと内側貫通路シナプスの協調と競合

○林  初男、野中廉裕
九州工業大学大学院生命体工学研究科脳情報専攻

歯状回は、外側貫通路(LPP)からの非空間情報と内側貫通路(MPP)からの空間情報が出会うところである。嗅内皮質から歯状回への投射は良く組織化されており、LPPとMPPは、それぞれ歯状回分子層の外側1/3と中央1/3の領域で顆粒細胞の樹状突起にシナプスを作る。この構造は歯状回の上刃と下刃で同じであるが、LPP線維層は上刃で厚く、MPP線維層は下刃で厚い。また、少なくともLPPシナプスはスパイクタイミングに依存したシナプス可塑性(STDP)を持っている。
一方、貫通路に軸索を伸ばす内側嗅内皮質Ⅱ層のニューロンは同期したシータ振動を起こし、それらのニューロンはシータ振動で歩調取りされている。したがって、MPPから歯状回に伝えられる信号はシータ周波数の周期信号であると考えられる。それに対し、外側嗅内皮質Ⅱ層のニューロンのシータ振動は弱く、それらのニューロンの発火は不規則である。したがって、LPPから歯状回に伝えられる信号はシータ周波数域の不規則信号であると考えられる。貫通路シナプスがSTDPルールに従って強められたり弱められたりするのであれば、LPPとMPPからのインパルスのタイミングが重要になるが、両者の信号は互いに相関が無い。
上記のように、嗅内皮質と歯状回については、解剖学的および電気生理学的知見が多く得られているが、歯状回のLPPシナプスとMPPシナプスがどのように協調と競合をし、どのような可塑的変化を起こすのか、また、その機能的役割は何なのか、などについては、ほとんど分かっていない。本講演では、顆粒細胞の4コンパートメントモデルを用いて得られたLPPシナプスとMPPシナプスの協調と競合に関する結果を示し、シナプス協調によって非空間情報を伴う空間情報が選択され、シナプス競合によって、上刃では非空間情報が通るゲートが開かれ、下刃では空間情報が通るゲートが開かれることを示唆する。また、歯状回の抑制性介在ニューロンの役割についても述べる。

H. Hayashi 会場の様子

[HOME]

 2010年4月15日(木) (会場 2F 講義室2) 
 異方性と奥行き反転における両眼網膜像差と運動視差の独立性

○玉田 靖明
北九州市立大学大学院国際環境工学研究科情報工学専攻

人間は奥行きに関するさまざまな情報を利用して外界を三次元的に知覚している.中でも両眼網膜像差と運動視差は有力な奥行きの手がかりである.両眼網膜像差は網膜像の空間的な変化,運動視差は時間的な変化をみるという大きな違いはあるが,両者の幾何学は共通している.さらに,空間周波数特性における類似や手がかり間の順応が可能である.また,サルを用いた研究によれば,運動の知覚に関わるとされるMTMSTでも網膜像差が符号化されていることが示されている.これらのことから,網膜像差と運動視差の間には共通した処理機構があることが示唆されている.一方で,心理物理実験手法を用いたこれまでの研究は,両眼網膜像差による奥行き知覚には異方性があることを明らかにしている.一般に,水平方向の網膜像差変調に比べて垂直方向の方が奥行きは知覚されやすい.それでは,異方性は網膜像が生じてから奥行きの知覚にいたるまでの奥行き情報処理のどの段階で生じるだろうか.異方性は網膜像差と運動視差の情報が交わってから生じるのか,それとも各手がかり固有の処理段階で生じるのか.この問題を検討するため,本研究では40名の被験者を用いて網膜像差および運動視差によって知覚される奥行きをマッチング法により測定し,2つの奥行き手がかりの相関を調べた.その結果,両眼網膜像差では垂直方向,運動視差では水平方向の変調においてより大きな奥行きが知覚される傾向があり,異方性には相関はなかった.また,網膜像差で3例,運動視差で1例,水平方向変調において幾何学予測とは反対の奥行きが知覚されたが(奥行きの反転),これらは独立であった.これらの結果は,両眼網膜像差と運動視差における異方性と奥行きの反転はそれぞれの手がかりに固有の処理機構で生じていることを示唆する.

Y. Tamada 会場の様子