人間知能システム工学専攻 立野研究室

RESEARCH

海馬とその周辺領野の神経回路モデル

Hippocampus

海馬と嗅内皮質のニューラルネットワークモデルを用いて,記憶情報処理に関する研究を行っています. 海馬と嗅内皮質は,エピソード記憶に関連する部位で,場所を表す場所細胞や格子細胞が見つかっています. 神経細胞には錐体細胞,星状細胞,顆粒細胞などいろいろな神経細胞があり,発火特性が異なっています. これらが相互に結合して情報が記憶されています. 神経細胞の発火特性の違いなどを考慮したスパイキングニューラルネットワークを作成し,神経細胞のダイナミックな振舞いを利用した記憶情報処理のメカニズムを考えています.

魚の行動に関する研究

glasscatfish

魚の中には,動物プランクトンやほかの個体が発する電気を検出できる能力を有したものがいます.その電気受容器は,視界の悪い状況において索餌したり,砂の中に隠れた餌を探したりすることに利用されます. 当研究室では,電気受容器をもつ魚として,グラスキャットフィッシュの行動について研究しています. 行動実験とあわせて,電気生理学的研究にも取り組んでいます.グラスキャットフィッシュの電気受容器はリズミックな神経発火をしています. その神経発火が外部の電気刺激によって,周波数変調されます.電気受容器官が環境中の微弱な電気刺激を検出する仕組みを非線形理論の視点で研究しています.

味蕾細胞モデル

Tastebud

味物質は,まず舌にある味蕾細胞で受容されます.味蕾細胞の寿命は2週間程度といわれています.味蕾細胞のターンオーバーが起こっても,私たちは同じよう に味覚を受容できる.味蕾細胞において,味物質はどのように検出され,神経発火に変換されるのでしょうか?私たちは,実験の知見を元に数理モデルを作成 し,その情報処理を研究しています.この問題について,大坪研究室と共同で取り組んでいます. 不安定な受容器官で,味を感じることができる仕組みは,工学的にも興味深いことです.研究成果を工学的応用につなげるため,味蕾の構造にヒントを得たセン サーシステム回路を提案しています.

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