九州工業大学 大学院生命体工学研究科 人間知能システム工学専攻 人間機能代行システム研究室

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シドニー通信 2008年10月19日  和田親宗

おそらく乾燥しているためだと思いますが、こちらに来て頻繁に風邪をひくようになりました。まずのどが痛くなり、その後、鼻水、軽い咳となります。今まではこれだけで何とか治っていたのですが、先日はとうとうひどい咳プラス発熱となり、はじめて病院に行きました。さすがに英語で症状を説明する自信はありませんので、日本人医師が開業している医院に行きました。うれしいことにシドニーには何軒かあります。オーストラリアでは、日本のように内科、外科、小児科、というように分かれてはいません。まず、GP(General Practitioner、総合診療医)と呼ばれる一般開業医にかかり、必要であればその後専門医にかかることになるようです。また、こちらでは、医薬分業が進んでおり、基本的に薬は薬局でもらいます。私の場合、出国前に医療保険に加入してきましたので、処方箋でもらえる薬も含めて医療費は全て保険からの支払いです。言い換えますと、医療費はゼロです。もっとも、この保険代金は高額ですので、医療費がゼロだからと言ってもあまり嬉しくはありませんが。

前回ご紹介したINSEARCH通学がなくなりましたので、この一ヶ月の土日は仕事をあまりせずに比較的ゆっくりと過ごすことができました。そのため、市内のあちらこちらや郊外に初めて出かけてきました。いくつか紹介します。

こちらでは、多くの場所で、土曜日にマーケットが開かれています。広場にテントを張り、いろいろな物を売っています。農産物、ソーセージなどの肉類、衣料、土産物、BBQや中華などのファストフード、などです。写真は、バスで30分ほど行った場所で土曜日に開かれているマーケットで、場所はおそらく学校か何か公の建物の駐車場だと思います。隣には広い公園があり、多くの家族連れがピクニック気分で買い物に来ていました。一種の学園祭のようなお祭りの雰囲気を味わえ、楽しい所です。ここのソーセージには、いろいろな野菜が入っており、味付けもよく、我が家ではお気に入りです。日本ではこの種のソーセージを見たことはありません。

シドニーは古い建物を残すように思います。ただ、そのまま残すのではなく、外側は残し内部は完全に作り替える方式を採っているようです。例えば外側は古い石造りの建物ですが、中はコンクリートをうまく使ったモダン建築、と言った具合です。日本では古い建物を完全に壊し、どこにでもあるような建物に作り替えることが多いように思います。シドニーの考え方を参考にすべきかと思います。写真はその一例で、壁だけを残した例です。これはUTSの図書館です。時計塔と右下の煉瓦部分が古い建物の一部です。

これもUTSの図書館ですが、低層階の煉瓦部分が古い建物の一部です。煉瓦構造物と後ろの同系色のコンクリート部分、それ以外の近代建築。うまくまとまっているかどうかは、よくわかりませんが・・。

別の例です。わかりにくいかもしれませんが、中央の茶色の建物は窓付きの壁だけを残しています。壁の裏には二階建ての建物があります。言い換えると三階より上は実際には階がないわけです。おそらく、町並みを保存するためにこのような「無駄な」ことをしているのではないかと思います。

シドニーにはいくつか動物園があります。その内で最も大きいものがタロンガズーです。シドニー中心部から船で30分ほどの山の斜面に作られており、シティが一望できる眺めの良いところです。動物とお客さんの間には大きな溝を作るなど、極力、動物を檻に入れない方針を採っているようで、動物たちの生き生きとした姿を見せられるよう工夫しています。例えば、キリンでは、顔がみえるよう、高い位置に見物場所を用意し、しかもキリンが近くに来るように餌を見物場所のそばにつり下げるようにしていました。写真を見てもらえるとわかるかと思います。

もちろん、コアラもいます。一般的にコアラは木の上、すなわち人より上にいて、見えにくい場合が多いのですが、ここでは上から見るようにもなっています。写真を見てもらえればわかると思いますが、コアラより少し高い位置から見ています。このコアラは子供を抱いていました。とてもかわいいものです。

カンガルーやワラビーには触れることもできます。もっとも北九州にはカンガルーやワラビーに触ることができる場所がありますので、それほど珍しくはないかもしれません。

今こちらは春です。日本では、春には花が咲き、卒業式があります。こちらも同じです。花祭りがあり卒業式があります。先日、首都のキャンベラで開催されている花の祭典・フロリアードに行きました。キャンベラは、シドニーとメルボルンの中間にある街で、バスで片道約4時間かかります。私が参加したのは約13時間の日帰りのバスツアーです。キャンベラは計画的に作られた緑が多くきれいな街です。国会議事堂などの行政府や日本大使館をはじめとした各国大使館などの政府機能が集まっています。

フロリアードは大きな催し物のようで、多くの観光客が来ていました。
チューリップを始め、多くの美しい花が一面に咲いていました。

キャンベラの他の写真は、後日、機会があればご紹介しようと思います。
10月の第一日曜日の深夜2時から夏時間が始まりました。深夜2時がいきなり3時になるのです。これで日本時間よりプラス2時間の時差になりました。時差が1時間の時は、日本在住の人とメールのやりとりをする際、時差はそれほど気にならなかったのですが、さすがに2時間だと少し戸惑うことがあります。例えば、急ぎの用事で私が朝8時にメールを送ったとしても、そちらはまだ6時ですから、返事が来ることはまずありえません。逆に、学生諸君が夜6時にメールをくれたとしても、こちらは8時ですから、私が大学にいない可能性が高いわけです。今までよりは情報交換に時間がかかるような印象です。少しだけ日本が遠くなったような気がします。

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