私たちが味を感じるのは、食物に含まれる化学物質が舌の味蕾細胞に作用して、その信号が脳に伝達されるからですが、約40〜50個の細胞集団である味蕾細胞のうち、脳に情報を送るためのシナプスを持っているのは3個ほどです。たとえば、甘いとか苦いといった味を感じる受容体がある味蕾細胞はシナプスを持っていません。ではなぜ甘いとか苦いといった感覚が脳に送り出されるのか?
50個ほどの細胞が集まっているということは、細胞間に何らかの相互作用があると考えられますが、当研究室では現在、この細胞間のネットワークを解明しようとしています。将来的には、味蕾の構造を応用した新しいタイプの味覚センサの開発につなげたいと考えています。 |