「石塚道場」道場主 高次脳機能講座 学習記憶機構 助教授 学術博士 石塚 智
 
〈研究事例〉自然が創り上げたストラテジーを解き明かす。
進化の歴史は、さまざまな戦略的行動を動物たちに与えました。そのメカニズムを解明することで、ロボットなどへの工学的応用が図られます。当研究室では、とくに視覚情報によって誘導される動物の行動―危険な物体との衝突を回避する“逃避”と、エサに向かって体を向ける“定位 ”に着目した研究を行っています。一般には、ある動物の行動と神経系の研究を同時にやっているラボはほとんどないのですが、うちでは行動観察と神経系がともに扱いやすいという利点からカエルを使い、両方を補完しあいながら研究を進めています。行動発現のアルゴリズムを抽出することで、ロボットや車などの制御機構の開発に新しいアイデアを提供することが可能です。

〈出稽古パッケージ〉行動実験とデータ処理 まず、生物の“動き”をじっくり観察する体験を!
動物を使った行動実験の手法と、実験で得られたデータの統計解析手法を学んでもらいます。まず、動物の行動を録画するための実験装置を理解することからはじめ、次に既存の実験データを使って統計解析のノウハウを習得。その上で、実際にカエルを使った実験をしてデータを解析してもらいます。脳型の情報処理システムをつくりたいという学生が、ホンモノの生き物に触れてどう振舞うかをじっくり観察することはとても重要だと考えます。また、個体差をはじめとした多くの不確定な要素が含まれる動物実験のデータをいかに理論的に処理するかを学び、得られた結果がどのような意味をもつのか、しっかり考えてみる体験をもってほしいと思います。

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