アーム状の柔軟なテンセグリティの模型

テンセグリティとは,圧縮力を受け持つストラット(棒)と引張力を受け持つケーブルがピン接続されて立体を成す自立構造の内,ストラット同士が直接接続されないという条件を満たす構造を指します(これに含まれないものもテンセグリティと呼ばれたりします.これは最も純粋・保守的な定義と考えて下さい). テンセグリティの特長には,極軽量な構造を実現できる点や意匠に優れる点,柔軟性をいくつかの部材に導入することで外力に応じた変形や折り畳みが実現できる点などがあり,また,「構造内で内力として相殺される力が形状・姿勢を決める」という筋骨格構造に近しい特徴を持っています. 我々は,アーム状の形状を持つテンセグリティに柔軟性を導入することで,軽量・柔軟で湾曲した姿勢をとることができるロボットアームの開発に取り組んでいます. 検証のために製作した模型では,実際に湾曲した姿勢が取れることを確認しています.

テンセグリティロボットアームの開発

現在,多自由度の複雑な動きと軽量・柔軟による安全な相互作用の両方を高いレベルで両立でき,生物規範型の運動制御・学習に使うことができるロボットプラットフォームを実現すべく, 先に示した模型をベースとして,アクチュエータで能動的に形状を変化させることが可能な柔軟テンセグリティロボットアームの開発に取り組んでいます.論文が出版されました.動画もありますのでご興味がありましたらぜひご一読ください.

    

Reference

  • Shuhei Ikemoto, Kenta Tsukamoto, and Yuhei Yoshimitsu, "Development of a Modular Tensegrity Robot Arm Capable of Continuous Bending", Frontiers in Robotics and AI, 01 November 2021, https://doi.org/10.3389/frobt.2021.774253.

© Copyrights Shuhei Ikemoto. All Rights Reserved