ご挨拶
拠点の研究組織
マルチタレント英才教育
分野横断的サブプロジェクトの編成と研究活動
分野横断的サブプロジェクトの編成と研究活動(研究活動の概要)
分野横断的サブプロジェクトの編成と研究活動(各サブプロジェクトの研究活動内容)
国際会議(BrainIT)
Edited Books
21世紀COEプログラムを終了するにあたって
HOMEへ
ご 挨 拶
拠点リーダ 山川 烈
 私達の日常生活に不可欠な今日のコンピュータは,予め専門家がその処理手順(アルゴリズム)をプログラムという形に作り上げてコンピュータに入力しておけば,その手順にしたがってデータを取り込み,処理し,出力してくれる電子機械です.よってこのプログラムは,コンピュータの用途に応じて一つずつ作り上げなければならず,使用環境や条件やデータの種類が変わればプログラムも変更の必要性が出てきます.また,そのアルゴリズムは物理モデルや数学モデルを計算し演繹的に答えを出すのが主でした.この方式はこれで,さらに発展して,より深く私達の生活に浸透していくでしょう.しかし,それが必ずしも,効率的な処理方式で人間親和性のある答えを出してくれるとは限りません.そこで私達は,何億年もの間,環境の変化に適応して生き残ってきた,いわば「最適解」としての生物の脳や神経系の情報処理方式に学び,その工学的基盤を確立することを目的として教育研究を進めています.

 脳や神経系の働きの本質を知り,それをヒントに新しい情報処理方式を創出し,ハードウェアとして産業や日常生活に生かすには,理学・医学から工学,心理学まで極めて幅広い知識を必要とします.私達が2000年に脳情報専攻を設立するときにはこのことを十分に勘案し,「神経生理」,「心理・情動」,「理論・モデル」,「デバイス」,「ロボティクス」の5つの分野の教員で脳情報専攻を構成しました.一つの専攻もしくは学科の規模で,これだけの幅広い教育・研究の陣容を誇る組織は,国内にも国外にも現時点ではないと思います.

 このユニークな陣容をフルに生かして,これから世界の第一線で活躍できる若手研究者を育成するために,「マルチタレント英才教育」を実施し,また本拠点が世界随一の脳情報工学の研究拠点となるために,脳の3つの機能である「感覚」,「学習・記憶」,「行動発現」に関して上記の5分野横断的な研究組織を編成し,脳の働きに示唆を得て情報処理を行うための基盤技術,すなわち「脳情報工学」という新しい学問領域を確立しようとしています.
HOME | Back | Page top ↑