ご挨拶
拠点の研究組織
マルチタレント英才教育
分野横断的サブプロジェクトの編成と研究活動
分野横断的サブプロジェクトの編成と研究活動(研究活動の概要)
分野横断的サブプロジェクトの編成と研究活動(各サブプロジェクトの研究活動内容)
国際会議(BrainIT)
Edited Books
21世紀COEプログラムを終了するにあたって
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マルチタレント英才教育 ※COEスチューデントの新規採用は行っていません.
[ 趣旨 ]
 本拠点の活動目的は,新しい学問分野として脳情報工学の基盤技術を確立し,脳情報専攻を世界随一の研究教育拠点として形成しようとするものです.その実現のためには,脳の生理,脳の機能,脳が取り扱う情報や処理アルゴリズム,脳型コンピュータのハードウェアおよびその応用,など幅広い知識と技術を持った人材が必要になります.
 そこで,博士前記課程から後期課程までの一貫教育の一部として,前期課程の2年間に,図2に示すような「神経生理分野」,「心理・情動分野」,「理論・モデル分野」,「デバイス分野」,「ロボティクス分野」の5つの分野から4つの分野を選択して短期に専門教育を受け,それによって得た知見を博士後期課程における研究テーマの選択およびその拡大,研究視点の見定め等に資するというものです.
 このカリキュラムはかなり過酷ですので,一般学生全員に適用できるものではありません.したがって,これは入学試験に合格した者の中から特別な採用試験によって選ばれた者(COEスチューデント)だけが受けることのできる英才教育なのです.
 世界随一の教育研究拠点を作るための21世紀COEプログラムですから,そのための英才教育は当然のことといえるでしょう.

※COEスチューデントの新規採用はすでに終了しましたが,博士後期課程在学中のCOEスチューデントは,現在もユニークな研究テーマで博士号取得に向けて頑張っています.
図2 マルチタレント英才教育実施組織図
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[ 実施方法 ]
図3 マルチタレント英才教育の年次進行スケジュール
 将来自分の専門分野となる研究を進める研究室をホームグランド研究室と呼び,その研究室の指導教員をホームグランド指導教員と呼びます.また,その専門以外の研究室で,かつその分野の専門内容の基礎教育を受ける研究室をマルチタレント研究室と呼び,その研究室の指導教員をマルチタレント指導教員と呼びます.
 マルチタレント英才教育は,博士前記課程の2年間に,5つの専門分野の中から全く異なる4つの専門分野の研究室で半年間ずつ,それぞれの専門分野の基礎教育を受け,それぞれの研究室で学んだことについてレポートを提出し,公開試問会で発表し,審査を受けるものです.具体的には,図3に示すように入学後の最初の半年間は,本来自分が研究活動をしたいと思っていた研究室すなわちホームグランド研究室で学び,審査に合格した者だけが,次の半年間は別の研究室つまりマルチタレント研究室でその分野の基礎教育を受けることが出来ます.その半年後には,さらに別のマルチタレント研究室で学び,審査に合格したものだけが,最後のマルチタレント研究室でその分野の教育を受けることが出来ます.博士前期課程の2年間で4つの研究室で異なる分野の教育を受けた者は,合計4報のレポートを提出しているので,修士論文を提出しなくても修士号の学位を授与されます.その後は,博士後期課程へ進んで,本格的な研究活動に入ります.
図4 マンツーマンによるきめ細かい専門教育 図5 COEスチューデントの典型的な研究生活パターン
 この教育の特長は,マンツーマンによる専門教育で,きめ細かい指導が行き届きますので,半年間で見違えるほど異分野の専門知識とスキルが身に付きます.(図4参照)
 またCOEスチューデントは,昼間はマルチタレント英才教育を受けていますが,夕食後は図5に示すように,ホームグランド研究室で自分の本来の研究活動に励みます.このことは,不幸にして途中で自らリタイヤしたり,審査の結果不合格になったりしても,修士学位論文をまとめることが出来るようにするためです.このことは,一見,極めて厳しく不可能に近いように思われますが,人間,覚悟を決めて物事にあたれば,結構順応できるもので,これまでのマルチタレント英才教育を全うした学生の数がそれを物語っています.もちろんCOEスチューデントのみならず,マルチタレント教員の負担も相当なものですが,やり遂げた後の満足感は学生諸君と同じです.
 COEスチューデントは最終的に4報のレポートを提出しますので,修士論文を提出する必要はありませんが,前期課程修了要件としての単位数はきちんと取得しておかなければなりません.したがって,マルチタレント英才教育を受けている間は,それに支障をきたさないように,2年間4学期に渡って出来るだけ一様に分散して履修するようにホームグランド指導教員が指導いたします.
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[ COEスチューデントに対する経済支援 ]
 COEスチューデントは,前期課程においては朝から夜中まで教育を受けることと研究に時間をとられ,また後期課程においてはやはり朝から夜中まで研究に終われるので,アルバイトをする余裕は全くありません.したがって,COE拠点としては,COEスチューデントの生活を保証し,安心して教育研究に没頭できるように,前期課程COEスチューデントに対して月額手取り8万円,後期課程COEスチューデントに対して月額手取り10万円を,それぞれ経済支援しています.
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[ 評価方法 ]
博士前期課程1年前期での評価
 日々の受講態度,レポートの内容,公開試問会におけるプレゼンテーションの質等を総合的に判断して,上位5名のみがCOEスチューデントとして,以後のマルチタレント英才教育を続けて受けることができます.残りの学生は,経済保証のないCOEスチューデントとして以降のマルチタレント英才教育を続けるか,一般学生として修士論文の研究に励むかを選択します.この場合,前期に受給したお金を返却する必要はありません.
博士前期課程1年後期以降での評価
 一つの研究室におけるマルチタレント英才教育が終了するごとに,レポートを提出し,公開試問会で終了審査を受けます.この審査では,「優」・「良」・「可」・「不可」の評価がつけられ,その審査結果は本人に通知されます.「優」もしくは「良」であれば,次のマルチタレント研究室での受講が可能となります.「可」は通算2回までは問題ありませんが,3回取るとCOEスチューデントの資格が取り消しとなります.「不可」は1回でも取ればCOEスチューデントの資格が取り消しとなります.COEスチューデントの資格が取り消されても,すでに受給したお金を返却する必要はありません.
 COEスチューデントの資格を取り消された場合でも,一般学生としてホームグランドの研究室で研究を続けることは可能です.その場合,修士学位論文を提出しなければ修士の学位を取得することはできません.修士学位論文審査に合格し,博士後期課程入学試験に合格すれば,一般学生として博士後期の研究を継続することができます.
 4研究室でのマルチタレント英才教育が順調に進行し,最後の審査に合格すれば,修士論文を提出しなくても修士号を取得できます.
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[ テーマリスト ]
<神経生理分野>
(1) ニューロンモデルの構築法とニューロダイナミクスの解析法(林教授)
(2) 神経細胞膜の電気生理学的性質とその等価回路(吉井教授)
(3) 脳内海馬スライスで発生する神経リズム及びヒトから測定される脳波の測定法(夏目教授)
(4) 脳スライス標本における電気生理学的測定法の技術習得 (石塚准教授)
(5) 単一神経細胞モデルおよび神経回路網モデルのシミュレーション(立野准教授)
<心理.情動分野>
(6) 個体維持・種保存のための中枢戦略を理解 とin vivo 標本(まるごと動物)による神経行動学および神経生理学的測定法(粟生教授)
(7) 視覚心理物理学および神経生理学に関する専門知識の習得(花沢准教授)
(8) カエルの衝突回避行動の画像解析法による定量的解析,行動発現のメカニズムの解明およびモデル作成のための実験生物学的手法の習得 (中川准教授)
<理論・モデル分野>
(9) 神経回路網の学習・自己組織化(石川教授)
(10) 最適化問題および制約充足問題の解法(永松教授)
(11) 自己組織化マップを中心とする神経回路網の理論及びプログラミング(古川教授)
<デバイス分野>
(12) 半導体プロセスの基礎と集積回路の設計・試作およびペレットチェック(山川教授)
(13) CMOSアナログ・デジタル集積回路の基礎と設計法およびLSIの測定技術 (森江教授)
(14) ロボティクスおよび神経生理学実験のための物理的手法の修得(ジミン教授)
(15) リコンフィギャラブルLSIを用いたシステム設計および実装の実践的技術(神酒准教授)
<ロボティクス分野>
(16) ロボットの設計,運動解析および試作に関する技術の習得 (石井准教授)
(17) 運動軌道計画モデルおよび数値モデル作成の基礎と応用(宮本准教授)
(18) ロボティクス視覚情報処理のハードウェア化(ベチャノビッチ准教授)
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[ これまでの実績 ]
図6 COEスチューデントの教育研究実績
図7 COEスチューデント認定証
 COEスチューデントとしてマルチタレント英才教育を受け研究を行ってきた学生および修了していった学生は,図6に示す通りです.本拠点の21世紀COEプログラムは,平成15年度から始まりましたので,そのときは博士学位論文の作成準備に追われていない博士後期課程1年生,および博士後期進学の決まっている博士前期課程2年生を加えてCOEスチューデント採用試験を行いました.その結果,博士前期課程1年生4名,博士前期課程2年生3名,博士後期課程1年生3名がその年度の採用試験に合格しました.以降,同様にして,採用試験を実施し,図6に示すような数のCOEスチューデントが育っています.各学期の枠内の下はそのときの実員数,上は,その中のCOEスチューデントの数です.所定の期間マルチタレント英才教育を受け,博士後期課程でCOEスチューデントとしての研究成果を挙げると図7に示すような認定証が卒業式の日に授与されます.
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