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分野横断的サブプロジェクトの編成と研究活動
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分野横断的サブプロジェクトの編成と研究活動
[ 心理情動ベースの行動発現モデルの構築とデバイス化 ]
サブプロジェクトリーダー:山川
(1) サブプロジェクトの概要
本サブプロジェクトでは,生物の優れた脳機能の中で特に,心理・情動に関する情報処理を工学的に応用したモデルの開発とそれらのデバイス化を行っています. プロジェクトメンバーは,認知心理学,認知神経科学,ソフトコンピューティング,集積回路工学といった幅広い分野の研究者から構成され, 各分野の専門的な知見および技術を融合した学際的な研究を行っています.
本サブプロジェクトでは,生物の内発的動機づけに関与する「情動」と「好奇心」の2つの機能について,工学的な視点からモデル化を行い,ロボットへ実装しました.
扁桃体型情動発現機構[1][2][3]
情動は,主に大脳辺縁系の一部である扁桃体によって情報処理されていることが知られています. 扁桃体は,感覚刺激に対して快・不快といった情動的評価を行い,情動反応を引き起こします. 引き起こされた情動反応は,生物の学習・記憶システムと密接に関係し,生物が生存していく上で非常に重要な役割を担っています. 本研究では,情動に関する扁桃体の構造と機能に関する神経科学的知見を基にし,脳情報工学的なアプローチによって情動発現機構の開発を目指しています. 扁桃体を基にした情動発現モデルを提案し,提案モデルのFPGAによるデジタルハードウェア化を実現しました.
更に,自律移動ロボットへの実装を行い,「情動」による自律ロボットの行動発現を実現しました.
図1:本研究で提案した扁桃体型情動発現モデル.提案モデルは,扁桃体の機能と構造を模擬しており,感覚刺激の認識と古典的条件付けの組み合わせによって情動発現を実現します.
デモ動画1
(mov:20MB)
情動発現モデルを自律移動ロボット"WITH"(*)へ実装し,情動的なインタラクションを行っています.
WITHは,インタラクションによって感覚刺激(マーカ)に対して恐怖や喜びといった情動を発現することが可能となります.
(*)WITHは,脳型情報処理の検証プラットフォームとして,本専攻の石井研究室によって開発された全方位移動 ロボットです.
好奇心駆動型行動発現機構[4][5][6][7]
好奇心には,拡散的好奇心と特殊的好奇心の2種類が存在します. 拡散的好奇心は幅広く情報を集める傾向を示し,特殊的好奇心は興味を持った対象に対して必要な情報のみを求める傾向を示します. 本研究では,高等生物の有する「好奇心」に関する心理学的知見を基にし,脳情報工学的なアプローチによって行動発現機構の開発を目指しています. 好奇心駆動型の行動発現機構を学習システムに応用したモデルを提案し,提案モデルを自律移動ロボットへの実装を行い,「好奇心」による自律ロボットの行動発現を実現しました.
図2:本研究で提案した好奇心学習モデル.提案モデルは,「特殊的好奇心」と「拡散的好奇心」の2つの好奇心を実現しています.
デモ動画2
(mov:12MB)
好奇心モデルを同じく"WITH"へ実装し,好奇心によってマーカの動きを学習しています.
WITHは,最も興味を持ったマーカすなわち最も強い好奇心が発生したマーカに向かって回頭します.
(2) 構成メンバーと役割分担
山川 烈 Zimin Lev Grigorievich 粟生 修司
花沢 明俊 中川 秀樹 磯貝 浩久
豊島 孝之 堀尾 恵一 水野 正晴
参考文献
[1] S. Sonoh, S. Aou, K. Horio, H. Tamukoh, T. Koga, N. Shimo and T. Yamakawa,Emotional behavior and expression based on a neural network model of amygdala,Abstract of the 4th International Conference on Brain-Inspired Information Technology (BrainIT 2007), p.36, 2007.
[2] S. Sonoh, S. Aou, K. Horio, H. Tamukoh, T. Koga, N. Shimo, R. Nishioka, M. Doi and T. Yamakawa, Training your animal-like robot by yourself: Hardware implementation of amygdala model, Abstract of the 4th International Conference on Brain-Inspired Information Technology (BrainIT 2007), p.74, 2007.
[3] 園尾 聡, 粟生 修司, 堀尾 恵一, 田向 権, 古賀 崇了, 下 尚紀, 西岡 龍太, 土肥 充, 山川 烈,情動発現システムを用いた自律ロボットの適応学習, インタラクション2008予稿集, CD-ROM, 2008 (発表予定)
[4] N. Shimo, S. Pang, K. Horio, N. Kasabov, H. Tamukoh, T. Koga, S. Sonoh, H. Isogai and T. Yamakawa, Effective and Adaptive Learning based on Diversive/Specific Curiosity, Abstract of 4th International Conference on Brain-Inspired Information Technology (BrainIT2007), p.xx, 2007.
[5] N. Shimo, S. Pang, K. Horio, N. Kasabov, H. Tamukoh, T. Koga, S. Sonoh, H. Isogai and T. Yamakawa, The Robot Stealing the Characteristic Behavior out of the Partner, Abstract of 4th International Conference on Brain-Inspired Information Technology (BrainIT2007), pp.75, 2007.
[6] 下 尚紀, 磯貝 浩久, 堀尾 恵一, 田向権, 園尾聡, 山川烈, 好奇心を取り入れた行動発現モデルの最適餌場利用問題への適用, バイオメディカル・ファジィ・システム学会 第19回年次大会講演論文集, pp.57-60, 2006.
[7] N. Shimo, S. Pang, N. Kasabov, T. Yamakawa, Curiosity-Driven Multi-Agent Competitive and Cooperative LDA Learning, International Journal of Innovative Computing, Information & Control, vol.4, no.7, 2008.
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